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9の日宣伝
毎月9日夕方4時〜5時まで、西武池袋線東久留米駅西口で
ニュースなどを配布し、宣伝を行っています。
東久留米「九条の会」は、政治、宗教に関係なく平和憲法を守りたいという一点で共同する市民の会です。いろいろ話し合い、学習会などを通じて理解を深めあい、九条を壊す動きに反対して、平和憲法を次の世代につなげていきたいと考えています。ご賛同、ご協力をお願いいたします。 会費は無料です。ご希望の方にニュースをお届けしています。
042-473-9489 事務局 鈴木まで メールは higashikurume9j@gmail.com

10月11日、東久留米九条の会20周年のつどいでの伊藤千尋さん(元朝日新聞記者、九条の会世話人)の講演要旨です。
20周年おめでとうございます。20年続けるのは大変です。
九条の会は2004年に作家の大江健三郎さんら9人の呼びかけで始まり、最盛時には全国7500以上ありましたが、高齢化やコロナの影響もありまして少し減りましたが、改憲の動きもあり減ってる場合じゃありません。
イスラエルはなぜ攻撃する?
ポーランドに行きました。ご存じのようにアウシュビッツ収容所では多くのユダヤ人がガス室で殺されました。そのユダヤ人の国家イスラエルが今、パレスチナ人を虐殺しています。これまで6万7千人のパレスチナ人が殺されています。
イスラエルがなぜそういうことをやるのか。教育のせいです。イスラエルでは小学生に旧約聖書創世記を丸暗記させています。「主(神)はエジプトの川からユーフラテスにいたるまで
の地をあなたの子孫に与えると言った」。サウジアラビアやイランなども
含みます。これを1948年イスラエル建国以来、ずっと学校教育で教えています。この土地を取り返すんだ、という意思で兵隊は戦うのです。今、ガザやヨルダン川西岸と言ってますが、それにとどまらない。ここで軍国少年、少女が生まれます。どっかで聞いた話です。戦前の日本の大東亜共栄圏にそっくりです。イスラエルは徴兵制ですが世界でも徴兵制は少ない。普通は男子だけだがイスラエルは女子にもある。18歳になったら、男も女も全員兵隊になる。男は3年。女は2年です。18、19、20の年代は人生で一番楽しい時期です。その時期兵隊になって人殺しをやらされる。あるいは自分の命がなくなるかもしれない。
すすむ日本の軍備拡大
戦争はイスラエルでも、ウクライナでも憎しみの連鎖を残します。戦争が終わっても、憎しみは子や孫まで続きます。だから本当は戦争をやっちゃいけない。日本では80年前に、もう戦争は止めようという決意になり、平和憲法に結実しました。ところが80 年たって世界が大きく変ってきている。トランプは国防総省を戦争省という名前にして、戦争する気なんです。アメリカは世界の軍事力の半分以上を占めています。
日本はどうか。石破前首相は軍艦をオーストラリアに輸出する。武器を買ってもらう。日本の軍事化が進んでいます。九州の南に南西諸島があります。この島々はミサイル基地に代わってきました。コロナの間に。その島々を回ってきました。与那国島にレーダー基地ができ、宮古島にはミサイル基地ができました。石垣島の基地は自民党市議が持っていたゴルフ場、幸福実現党が持っていたレストランを防衛省が買い上げてミサイル基地を作りました。ここから中国にミサイルを撃ったら打ち返されるでしょう。基地の周りは民家がいっぱいです。戦争になったら、ここがウクライナみたいになるんです。
自民党政府は抑止力だと言って防衛費を増やしています。日本の防衛費はちょっと前まで年間5兆4千億円だったんですがそれじゃ足りない2倍の11兆にしようと今8兆8千億円。福祉や医療費が足りないと言っているのにです。中国の軍事費は37兆円です。アメリカは135兆円。中国アメリカに対抗しようとしてさらに増やそうとしています。その中国に対抗しようと増やそうとすればきりがありませんし不可能です。
日本を戦後賠償から救った人
スリランカの元大統領ジャヤワルダナという人を知っていますか。第2次世界大戦が終わったとき、日本と戦ったアジア、欧米の国々の代表がサンフランシスコに集まって戦後の日本をどうするか話し合った。「日本が二度と立ち上がれないように多額の賠償金を取ろう」断ち切らなければという意見の多い中でこの人は「みなさんは日本が二度と立ち上がれないようにしよう、と言っているがそれはいけない。そんなことをすれば、憎しみの連鎖を続けることになる。再び戦争になる。憎しみの連鎖は愛によってのみ断ち切ることができる」と言ったのです。「私たちの国スリランカも日本から爆撃など攻撃を受け大変な被害を受けた。だから戦時賠償を受ける権利があるが私たちは、それを放棄します。日本には早く立ち直ってほしい。私たちと一緒に世界の平和をつくり上げる仲間になってほしい」という演説をし、それを聞いた各国代表は立ち上がって拍手し、そこから流れが変わりました。戦後日本がいち早く復興したのは働いたお金を各国の賠償に支払わなくてよかったからです。そして高度成長に向かうことができました。この人の顔は中学校の教科書に乗せるべきです。80年たつと完全に忘れられます。スリランカに行くと皆この人のことを知っています。観光で行く日本人は誰も知らない。
こういう人はヨーロッパにもいました。第2次大戦が終わったときシューマンというフランスの外務大臣が「20世紀は戦争の世紀だったといわれる。戦争を起こしたのはどこの国かというとドイツとフランスだ。仲の悪い隣り合った二つの国が戦争を始めてそれがワーッと広がっていった。ということはドイツとフランスが仲直りしたら少なくともヨーロッパから戦争はなくなる。起きにくくなる。と言って彼は提案しました。戦争に欠かせないものが二つある。一つは鉄。もう一つはエネルギー、当時は石炭です。戦争に欠かせない鉄と石炭。これをドイツとフランスで共同管理しようと。ドイツは乗ってきました。
ベルギー、オランダ、イタリアなど6つの国が1952年欧州石炭鉄鋼共同体を作りました。各国は鉄石炭の生産量、武器に回した量を報告しあうというものですが、それによって信頼関係が生まれました。それまでは発表しないから疑心暗鬼陥る。その関係が変わってきて、それが欧州経済共同体に発展し、今の欧州連合になりました。パスポートも通貨も共通です。この関係は40年かけて作られました。戦争しない仕組みがヨーロッパでできました。これをアジアでやればいいのです。日本、中国の間でやればいいのです。40年かければできるんです。 (つづく)